アナバスやベタなどの仲間にある、補助呼吸器官をラビリンス器官と呼びます。この補助呼吸器官がエラの上部にあるため、エラ呼吸だけでなく、空気を吸って体内に取り込む空気呼吸をすることができます。
※画像は大まかなイメージ
なぜ、ラビリンスと呼ばれているのかと言うと、構造が迷宮のような作りになっているからです。そのため、迷宮器官と呼ばれることもあります。
ラビリンス器官はこのほかに、上鰓(じょうさい)器官と呼ばれることもあります。鰓(えら)の上にあるから、上鰓。漢字は難しいですが、意外と覚えやすいかもしれませんね。
アナバスやベタの仲間が生息している東南アジアの止水域(しすいいき)は、水温が高いため、水中の溶存酸素が非常に少ないです。こうした場所で生き抜くために、補助呼吸器官が発達し、空気呼吸できるという能力が身に付いています。*1
ベタがエアレーションされていない瓶に入っている事があるのは、このラビリンス器官のおかげで、瓶などの酸素が少ない環境でも、水面に顔を出して呼吸をし、酸素を体内に取り込む事ができるからです。
*1:最新図鑑 熱帯魚アトラスp406参照